「えっ…」


「無視すんなよ!
 てか、俺がいることに気付けっ」



 突然の呼び声に振り向くと、彼が少しムッとしながら頭を小突いてきた。

「いたっ…」


 彼の後ろには、さっきまで群がっていた女の子達が唖然としながら私達を見てる。


「え……あそこにいたの西城くんだったの?」

「ははっ やっぱり気付いてなかったか」


 西城くんは苦笑いしながら先を歩いていく。



 えっ…と……

 もしかして――


「お前待ってる間に女共が寄ってきてかなりウザかった。

 ……あとで罰ゲームだかんな」



 やっぱり私を待ってたのぉ―――っ!



「あのっごめんなさい!
 私全然気づかなくてっ」


 私が真っ赤になりながら謝罪すると、彼は笑顔で、

「別にいいよ。ほら、行くぞ」

 そう言うと、私の手を掴んで歩き始めた。




『キャャャャャアアァァアッ!』




 私の心の叫びと、後ろの女の子の叫びが響いた。