「はい、これ。

 熱いからね」



 泣いてる私をゆっくりリビングに連れてくると、皇はホットミルクを作ってくれた。



「……ありがと」


 私はソファーに座り受け取ると、フーッと息を吹きかけてそっと飲んでみる。

 一口口に入れると、いつものように、蜂蜜の優しい甘さが口に広がって……ホッとした。


 隣をちらりと見ると、皇もコーヒーを飲んでる。




「ねぇ……今日あんな遅くまでどこに行ってたの?」


 いつ帰ってきたのか寝てたから分からないけど……多分、そんなに前じゃないと思う。


 私は少し聞きづらかったけど、勢いで聞いてみた、けど。


「ちょっとね。

 ……でも、そんなに時間かからなかったんだけどな」



 私には教える気、無いみたい。



「そうなんだ…」


 それ以上はなんだか聞けなくて。
 ミルクを静かに飲んでた。




「楓は?

 今日はどこに行ってきたの?」