「んだよぉ。ちょっと話しかけただけで……」


「今まで通りコイツに近寄るなよ」



 ――見上げると。

 西城くんが表情なく淡々と話してる。



 ……なんだか……

 ヤキモチ、みたいな…?



「う、わっ ベタぼれかよ!」


 ――まさか、ね。





「…私達帰るっ!」


 声の方を見ると、岬さんと友達が足早に去って行く後ろ姿。




「あちゃーっ岬達いるの忘れてたわ」


 男の子達が、少し慌てるけど。小沢くんだけは、西城くんに目を向けて。


「――その……気を付けろよ?

 お前はモテるけど、今まで女に興味なんかなかったし。特定の女もいなかっただろ?
 だから岬達も、他の女も大人しくしてたんだけど。

 これからは……如月との事がバレたら、色々面倒だぞ」