「ええっ 彼方マジだったの?!」



「うっわ! 如月さんマジで今までからかってごめんっ!」


 西城くんの腕から解放されると、一部始終を見ていた男の子達が、慌てて謝ってきた。




「……だからいい加減にしろって言っただろ」


 西城くんは呆れながら彼らを見る。




「それ言ったの如月じゃん!」
「そうだよなぁ?」




「――てかさ、」


 その3人の中で、比較的穏やかな小沢くんが私に近付いて来た。



 私は西城くんの後ろに隠れるように下がるけど、小沢くんはかがんで私の顔をマジマジと見ながら、


「……女って、すげぇな。
 如月すげぇ変わったじゃん」



 ――近いっ…と思った瞬間。


バシッ
「いってぇ!」


「小沢。近い」



 私を完全に後ろに隠してしれっと言う西城くんがいた。