『 す き 』 それは、どんな言葉だっけ……。 「――俺から逃げるなんて無理なんだよ」 一層低くなった言葉に、震えてしまった。 「言っただろ? 『覚悟しろ』って」 そう言って……力いっぱい私を抱き締める彼の腕。 彼の柔らかい匂いに……私は気持ちがいっぱい過ぎて―― 「……捕まえたんだ…やっと」 彼の小さな呟きには、気付かなかった――…。 .