「えっ」 あまりにも低い西城くんの言葉に、岬さんはビクリと肩を震わせ手を離した。 「彼方!理恵ちゃんがびっくり「――うるせぇ」 さらに低い声で、今度は小沢くん達を睨みつける。 彼らが静かになると、西城くんの視線は私に戻った。 「――如月…」 鋭い視線が怖くて…… 心全部、見透かされそうで。 私は咄嗟に、瞳をそらしてしまった。 「言っただろ? もう逃がしてやらねぇって…」 .