「ほら。鮫がいるよ」 水槽にしがみつくように立つ私。 その両サイドには、西城くんの手が伸びてる。 「そ、うだね…」 ――身動き出来ません。 水槽には、私の後ろに立つ西城くんが綺麗に映ってる。 「如月…」 「………っ」 西城くんは、目を伏せて、私の肩口に顔を伏せる。 「…如月…」 耳元で、囁くように……。 ――私の首筋に、何かが触れた。 .