「1年の時にアイツを目で追ってるうちに、如月も視界に入るようになって。
したら、お前まともに佐藤以外話さないし、目も合わさないし?
つんけんして最初は生意気な女だ、なんて思ってたけど…。
アイツと……片割れと話してる時の笑顔が、本当に嬉しそうで…」
「えっ……そう、だった…?」
ムゥ〜〜〜〜ッ
そんなの意識してないよぉ!
――見られてたなんてっ
「それまで俺の周りの女は、人に見せるための笑顔を張り付けてる奴ばっかりだったから。
――新鮮だったんだ」
私の顔を覗き込んで、ニヤリと笑う。
私の顔が真っ赤だって知ってて……酷いよっ!
「ほら、行くぞ」
笑いながら私の右手を掴むと、そのまま深海魚のコーナーを出て行った。
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