ハチミツ×シュガー




「人を寄せ付けないように、わざとしてる」



 ――なんで……?



「そんな「何でだ?」



 ……何で気付いたの?






 一瞬ガッチリ合ってしまった彼の瞳を見て。誤魔化す事は出来ないと、気付いた。



 ……この話を真弓以外にするとは思わなかった。






「……小学校の頃ね、」


 なんで、こんな話…。




「皇を好きな女の子達に、苛められ始めて。その時に庇ってくれた男の子が、皇の次に人気ある男の子で……

 それを理由に、さらに苛められたの」





 ――蘇る、記憶……。



「……それからは、人とうまく話せなくなって……。気付いたら、皇とも必要な事以外、会話をしなくなってた。



 ……私はもう、誰も傷つけたくないし、傷つきたくない。

 穏やかに、静かに過ごしたいだけ……」


「俺も、そうだ」



 私の話に、西城くんは囁くように、小さく被せた。

 隣の彼を見ると、微笑んでるような、優しい瞳で私を見ていた。