ハチミツ×シュガー




 人をおもちゃにして、ずっと笑ってる西城くん。

 少し遅い昼食にしようと入ったレストランでも、やっぱりいつもと違う。



 あまりにも、にこやかに、穏やかに私を見るから……


 私は、恥ずかしくて彼を見れなくなっていた。






「――如月はさ、」



 深海魚のコーナーで。


 かなり薄暗い館内を歩いてる時。



「なんで昔から人と距離を取るんだ?」



 隣の私を見ないで、水槽の魚に目を向けながら聞いてきた。





「……そう?

 そんな、事…「ある」



 私の言葉を遮って、力強く言った彼。