ハチミツ×シュガー





 中に入ってまず私達が向かったのは、アシカショー。


 2人並んで座り、最初はぎこちなく静かに見ていたけど。アシカの可愛い芸に、途中で2人、今までの静けさが嘘のように手を叩いて喜んでいた。


 ――西城くんは何気に子供っぽいのかもしれない。

 お腹抱えて涙流しながら笑うし、子供と一緒になってはしゃいじゃうし。


 そんな彼の姿を見て、自然に微笑んでる私がいた。





「あぁ―――っ

 可笑しかったぁ!」

「ふふっ 西城くん笑い過ぎ!」
「だってあのアシカ全然愛想無くて…!」


 言いながら、思い出したのかまた笑い始めた。



 そして。

 あろう事か私を見てニヤリと笑い、


「――どっかの誰かみてぇじゃん…?!」







 ………………は?




「それって……誰のこと?」




 ――言った私の低い声が、彼の笑いを更に誘った。