ハチミツ×シュガー




 それを見て私は、同じく一歩、後ろに下がった。


 すると、西城くんも一歩進む。





 もう訳わかんない――




「如月…」
「違うっ」



 私は涙が溢れてきた顔を隠すように、手で覆いながらしゃがみ込んだ。



 こんなのっていくらなんでも酷い……。




「私が、如月だもん……。
 西城くんが知りたいのは真弓の事でしょ?

 ――いくらなんでもクラスメイトの名前くらい覚えてよっ」





 2年になって1ヶ月。

 西城くんはまだ私の名前を覚えてないらしい。


 ……私と真弓を間違えるなんて……

 いくらなんでも、クラスメートの名前位は覚えて欲しい。