ハチミツ×シュガー




 私服の西城くんはすごく新鮮で。直視できない私は、チラチラ横目で盗み見てしまった。


 彼の今日の姿は、白のプリントTシャツに黒のベスト。下には黒のジーンズを履いていて…。
 すごくシンプルなはずなんだけど、ジーンズは彼の長い足をさらに長く見せてくれてるし、アクセントのシルバーのネックレスとバングルが、お洒落で格好いい。


 そんな姿の彼を、周りが放っておく訳なくて……。

 すれ違う女性全員が、頬を染めて一度は振りかえる。
 誰が見ても、素敵な西城くんに……

 一緒に並んで歩くなんて、正直、夢なんじゃないの?……何て思い始めた私。




「如月?」



 そんな私を現実に引き戻した彼。

 慌てて見上げると、何故か微笑んでいた。




 元々、皇と同じで女子にいい顔しない。


 ――なのに…

 最近の西城くんは、良くこの甘い笑顔を私に向けてくる。



 こんなの他の子に見られたら……抹殺だよね?絶対…!




 周りの視線が気になってる私は、胸の高鳴りには気付いてなかった。