「えっ?」

「大事なもんなんだろ?」


 西城くんは少し前を歩き、ちらっと私を見て言った。


 私は、まさかスカートを履き替えに戻るつもりだったなんて今更言えなくて。


「だ、大丈夫!
 な、なくても困らないからっ」




 ……神さま。私に嘘をつくスキルを下さい。



「……無くても、困らない?」


 ゆっくり振り返る西城くん。



 ……神様……


 私はバカです。

 大バカです。



「如月、何を忘れたんだ?」