私達は教室を出て、何故か屋上に来た。
西城くんが先に入って行くのを見て戸惑いながらも私も後に続いた。
屋上に出ると、春特有の優しい風が吹いていて……
私は気持ち良さに空を眺めていた。
「……おい」
――っ存在忘れてたっ!
「はい…っ」
半ば叫びながら西城くんを見たら、金網に寄りかかりながらこちらを睨むように見ていた。
キレイな顔で凄まれると数倍恐いんですけど……。
西城くんは皇とは違って今時のイケメンさん。
本人も気付いてるようで、あまり女子と話さない。
キャーキャー言われるのがウザいと西城くんが言ってたらしい。
……何て贅沢な悩みだろうね。
.


