「――えっ」 「……俺が寝てる間に、なに他の奴ナンパしてんの?」 ――起きてたのっ? 振り向くと、西城くんがひじを突いてこちらを見てる。 「あ、と……起きた、の?」 寝起きの彼は、すこぶる機嫌悪く、 「……あんな大声で話してたら耳にはいるだろ」 低い、低い声で答えた。 ……何だか、物凄く怒ってるよね……? 私がどうしていいか分からなくなってると、窓の外から、またしても斉藤くんが叫んだ。 「下駄箱で待ってて――!」 .