少し気になったけど、そのまま皇のもとへ向かい辞書を皇に渡す。 「楓、今日帰り迎えに行くから」 それだけ言って、すぐに廊下を歩いて行ってしまった。 後ろからは 「デブのくせに」とか 「生意気だよね」とか…… 何人かの女子の声が聞こえる。 ……デブは合ってるけど、生意気って……。 私がどんな生意気を言ったの? 世の不条理さを呪いながら、席に戻った。 席に着いた私は、やっぱり誰かに見られてる気がしていた。 .