「図書室で寝てたって…… 楓は相変わらず抜けてるな」 あれから西城くんと校門で別れて、皇と合流した。 皇には、図書室で寝てしまったと、嘘をついた。 「迎えに来てくれてありがと」 皇の乗ってきた自転車の後ろに乗り、背中に寄りかかった。 昔から、皇の背中が大好きだった。 この背中を追い掛けて、追い掛けて。 時にはよりかかり。 私たちは兄妹だから……。 双子だから……。 ――まやかしの殻の中へ、二人、戻っていく……。 .