「はいっ
……すぐ出ます!」
咄嗟に、返事をしてしまった。
我に返った私は、慌てて腕をほどくけど。
「嫌だ」
そう言って、西城くんが私の手を掴んで離してくれない。
「あ……カバン、取りに…」
「繋いだままでも大丈夫だろ?」
「う、ん…」
……甘々モードになってるし。
頑なに拒否されてしまって。
仕方なく席まで手を繋いだまま戻り、カバンを取ると、そのまま図書室を後にした。
淡々と仕事をこなしてた図書委員も、西城くんを見て一瞬顔を赤める。
……やっぱり、手は外せば良かった。
「何考えてんだ?」
「……別に」
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