「結衣ね、しちゃいけないことしちゃったんだ」 この言葉から全てを説明した。 すると翔ちゃんから出た言葉はあたしにとっては 凶器でしかなかった。 「腕なんか切ってもなんの意味もねえから。」 そんなことわかってる。 死にたくて切ってるんじゃない。 構ってもらいたくて切ってるんでもない。 自慢でもなんでもない。 意味がないことなんて本人が一番わかっていた。 けれど、自分を支えるため、自分を守るため、 そしてなにより、「生きている」証拠だった。