傷だらけのシンデレラ


過呼吸になっているあたしを初めて見たお母さんは

ものすごく焦っていた。

あたしに紙袋を渡し、背中をさすりながら


「ごめんね・・・ごめんね、結衣・・」


と言いながら泣いていた。

そしてあたしの包帯の部分をやさしく握りながら


「自分傷つけたらあかんよ・・」


と言った。

あたしは翔ちゃんのこと以外をすべて話した。

お父さんのこと。

受験のこと。

自分のこと。

そして、夢のことも。

お母さんは初めてあたしと向き合ってくれた。

「うん、うん」と頷きながらあたしの話を聞いてくれていた。

そしてお母さんとの話し合いは夜中の二時まで続いた。