その日の夜、お母さんがあたしの部屋に
話があるといって入ってきた。
あたしはまた動悸がした。
責められるんではないか、
怒られるんではないか、
そんなことばかりを考えていた。
するとお母さんは、優しい声で言った。
「受験のことだけど、無理しなくていいよ?
まだ8月なんだし。」
あたしはお母さんが起こっているように聞こえ、
自分の髪の毛を掻きむしりながら
「ごめんなさい、頑張るから。頑張るから。
頑張るから怒らないで!・・・」
お母さんは取り乱しているあたしをみて
「どうしたん?!お母さん、怒ってないよ?
ねえ結衣!大丈夫やから。
辞める勇気も大切なんやで!?」
必死にあたしに言ってきたが、
あたしはまた過呼吸になった。
