でも、そんな優しい恵梨はもうこの世にいない。
今俺の目の前にいるのは冷たくなった恵梨。

そっと恵梨の頬に触れる。


この頬がほんの数時間前まで温くてぷにぷにしていたと思うと
かれたはずの涙がまた、流れ出る。


「んだよっ…… なんでとまんねーんだよ…」


どんっ と硬く握ったこぶしをテーブルに叩きつける
痛かった。

この痛みさえも恵梨はもう感じられない。


この先、俺は生きてゆけるのだろうか。
そんな不安が胸を掠めた。


―――柚木くんなら絶対大丈夫だよ―――


不意にそんな声が聞こえた。
恵梨の声だった。


気のせい?きっとそうだよな


……――だと思っていたのに…