シリウス


「真菜さん、ここカフェだよ」

何でもないといった様子でコーヒーを飲み干す夏樹に、また腹がたった。


いつもこうだ。

夏樹の目は、人の心の底を見透かす。


「お母さんよ!お母さんなの…あたしを捨てた。海辺に置いてったの…」


真菜の大きな目から涙が溢れた。


「…」


「それからずっと、ずっとずっと、親戚の間をたらい回しにされてきた。あの人の…お母さんのせいで…」

真菜の目からテーブルへ、涙のしずくがパタパタと落ちた。


夏樹はじっとそれを見つめた。