シリウス


──一週間後──

「川島くん、頑張ってね」


「はい」


俺は、今までいた病院を背に立っていた。

いつものパジャマじゃなく、Tシャツにパーカーとコートをはおり、ジーパンをはいていた。


手には

色とりどりの折り鶴を持って…


"お兄ちゃん!"

美歩の声が蘇る。


"お兄ちゃん!待って!"

最後に…会いたかったな…


「美歩ちゃん!!」


突然、主治医が叫んだ。


美歩…?

ゆっくり振り向いた俺の足に、なにかがしがみついた。


「お兄ちゃん!!!」


パジャマ姿の美歩だった。


確かに俺を呼んでる。


「一筋の…光か…」


呟いた俺の顔を

小さな顔が覗きこんだ。


俺は何も言わない。


代わりに美歩をきつく抱き締めた。


待ってる。

退院したら、一緒に暮らそう。

兄ちゃんと。


・・・fin・・・