シリウス


1ヶ月を過ぎると、美歩は来る事が少なくなり、

ついには来なくなった。


いつものように診察を終えた俺は、窓の外を眺めていた。

結局、俺の傍には誰もいない。

そっか…

母さん、やっぱり、楽しく生きる事は許してくれないんだね。


小さくため息をついた時、

主治医が俺の部屋に入ってきた。


「川島くん!!」

なんだか急いでいる。

ガンが進行したのか…

でもまあ、思い残す事は…ない…

「…はい…」

一瞬、美歩の顔が浮かぶ。


「ガンが…腫瘍が…無くなってるよ…」

え…?


「無くなって…?」

信じられない…

俺は、死ぬんだろ?

長く、ないんだろ?


「綺麗に無くなってるんだよ!」


嘘だ…

「なんで…」


「美歩ちゃんだよ!美歩ちゃんがセラピーの代わりだったんだ。そうとしか思えない」


「美歩…が…?」

美歩と笑っている時の俺の顔を想像した。


嬉しい…

俺…生きれて…嬉しい…


ぼろぼろと涙がこぼれた。


「あと1週間もしたら退院できるよ」