俺は慌ててナースコールを押した。
「美歩!どうした!?」
美歩は俺をみながらうわ言のように呟く。
「準…兄ちゃん…亮…兄…ちゃん…?」
亮兄ちゃん?
そうだ。前に聞いた事がある。
美歩の"本当の"兄ちゃん…
「美歩ちゃん!!」
看護婦が駆けつけてきた。
美歩を抱き抱えて連れていく。
看護婦の肩から美歩の顔がのぞき、俺に手をのばした。
「亮…兄ちゃん…」
俺は、何も言えずに呆然と立ち尽くした。
そのあと、美歩の記憶を無理矢理引き出すような事はしないように注意された。
それ以降は、美歩に大きな異変が訪れる事はなかったが、
昨日までの記憶が曖昧になる事が度々あった。


