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あれから3週間が経ったある雨の日、
美歩の記憶に異変が起こり始めた。
あれから美歩は、ずっと、本当にいつも、俺の傍にいる。
それは
俺に母さんの事を忘れさせる程、俺の支えになっていた。
その日も、美歩が俺の病室に来ていた時だった。
「お兄ちゃん、雨だね~」
美歩が窓にはりついて外を覗きこんでいた。
季節は冬になりかけていた。
美歩が着ているのは、今の季節には寒そうな、薄めのパジャマだ。
「美歩、そんな薄着じゃ寒いだろ」
俺が美歩に毛布を渡そうとした時…
「痛っ!!」
キーンという痛みが足を襲った。
ただ、足をつっただけだったのだが、
案の定、美歩が心配しはじめた。
「お兄ちゃん!大丈夫?痛いの?」
今にも泣きそうな顔でナースコールを押そうとする美歩を必死で止めた。
「大丈夫だ。足、つっただけだから」
やっとナースコールから手を離した美歩が言った。
「お兄ちゃん、病気なの?」


