シリウス


一瞬だけ見えた美歩が泣きそうだった。

看護婦が信じられないといった顔で俺を睨む。


窓の方を見た俺の胸が、少しだけ、痛むのを感じた。


美歩の小さい足音が遠ざかる。


いいんだ。

これでいい。

俺は、誰の心にも残らず、何も考えずに


死ぬんだ。