シリウス


「明日は先生が診察しますからね」

にこにこと都合良く笑う看護婦。

美歩が小さい声で怯えるように聞いた。


「お兄ちゃん、病気なの…?」


俺が違うと言うのを待っている。そんな様子だ。

看護婦が慌てた様子で美歩をなだめる。

「さあ、美歩ちゃん、お部屋に戻ろうか」

パジャマを着た美歩の背中を押す。


「お兄ちゃ…「ああ」

俺が美歩の言葉を遮った。


「俺、長くないんだ」


早口で続けた。

「俺、ガンなんだ。死ぬんだ。だから、俺に関わらない方がいいぞ」