シリウス


じっと見てくる美歩を見返した。

美歩も真顔になってまた見返してくる。


少しだけ、クスッと笑ってしまった。

「あっ!!笑った笑った!ほら、えくぼっ」

キャッキャと嬉しそうにまたはしゃいだ。


「重い。美歩、どけよ」

また、笑いがこぼれる。

……ごめん、母さん。俺、今少しだけ楽しい。


突然くちもとを締めた俺に、一瞬美歩が首をかしげた。


「川島さーん、入りますよー」

俺のベットのカーテンを開けた看護婦が一瞬おどろいた。


俺の腹の上で寝転がっている美歩に話しかける。


「美歩ちゃん、また来てたの?」


「うんっ、お兄ちゃんと遊んでたの~っ」


「遊んでやったんだろ」


クスッと笑った看護婦が、僕の診察を始めた。