シリウス


冷たく言った俺は、また布団にくるまり、美歩の気配が消えるのを待った。


(…泣かれたら面倒だな…)

おかしな沈黙が続き、俺が起き上がろうとした時、

ギュッ


「ぅわっ!!」

美歩が抱き着いてきた。

小さな足をばたばたさせて、なんだか機嫌がいい。

美歩が俺を見上げた。

俺が美歩を見下ろす。

「ううん!準兄ちゃんは、美歩のお兄ちゃんだよ!」


嬉しそうにえくぼをつくる美歩は、独特の高い声でキャッキャとはしゃぐ。

「だってね、お兄ちゃんのほっぺ、笑うとえくぼができるもん」

美歩の小さい指が俺の頬にあたる。

「美歩、一回だけ見たもんっ」