壁や天井と同じ色の服を着たその人は、少しキョトンとしてから、優しく僕に話しかけた。
「夢を見てたんだね。大丈夫、手術は成功したよ」
(夢じゃない…)
「良かったね、目が見えるようになって」
(目なんてなんだっていい…)
目から涙が溢れた。
「柏原く…「先生は…?」
「先生はどこ?先生にお礼を言わせて下さい…」
いつの間にか、僕と関わる人は先生一人だけだった。
僕にとって、大切な人なんて、先生一人しかいないんだ。
「どなたか知りませんが、先生は…この病院の院長で、いい加減な…先生は、何処ですか…?」


