ピンクの空



『こんなに頑張った人がいます。今日頑張れなかった人、これから頑張ってください。今日まで頑張ってきた人、引き続き頑張ってください。
頑張れなかった人は、誰かのために歌ってください。』




みんなうつむいて、黙ったままだった。




荒木先生は、教室を見渡してから、また口を開いた。





『夏美は、ピアノがとても上手。』





あたしは驚いた。




だって、こんな状況であたしの伴奏が褒められるなんて思ってなかったし。





周りの人も、ちょっとこっちを見た。