「まだいたのか~」 ふざけた感じであたしに声をかけてきたのは、大森だった。 「うん。まだ、ここに居たくて。」 大森は、あたしのとなりに座った。 「あたし、不安だな。高校生活。今まで、クラスのみんなに守られてきたけど、そういうわけにもいかなくなる。」 「たしかにな~。」 あたしと大森は、二人で黙って空を見上げた。 雲、流れてる。