「愛菜!?」
「何か合ったの?」
私は皆の問いには答えなかった。
返事をしない私を見て、分かってくれたのか皆無言になった。
『あ、りがと。』
「ううん!」
「お互い様だって!!」
こんな友達にはちゃんと話さないとだよね。
『先輩に昨日、押し倒されたんだ・・・』
「えっ?」
皆ビックリしているようだ。
それはその通りだ。
ビックリしない人なんて居ないだろう。
『それで、私が嫌だって言ったら別れようって。』
「ソレは・・・」
「先輩、酷くない?」
『ヤらしてくれない女に興味無いって。』
これ以上は何も言わなかった。
教室中が静まり返った。
皆混乱しているのだろう。
いきなり、こんな話を聞かされて・・・
このことが合ってからは、先輩とは顔を合わせることも避けた。
顔を見たりしたら、また泣いてしまいそうだったから・・・
あと、先輩が理由なくあんなことする人じゃないって思いたかったから・・・
私の先輩の理想像を壊さないために。

