俊は私の手を引こうとはしなかった。
珍しいなぁ~
そうだっ!
『・・・!?』
私は俊の手を握った。
『ダメだった?』
俊は私から視線を逸らし、
『別に。』
やっぱり、さっきのこと怒ってるのかなぁ?
『ねぇ俊。聞きたいことがあるんだけど・・・』
『何?』
ここは率直に!
『どぉして結婚なの?私たちには、まだまだ時間があるのに・・・』
俊は返事をしない。
『俊?』
『その質問、俺が答えてあげようか?』
突然私たちの後ろから聞き覚えの無い声がしたので、私は驚いて後ろを振り返った。
『アナタは、誰?』
ドコかで見たことあるような、無いような?
『俺は、俊の友達でつい最近戻ってきたんだコッチに。』
『戻ってきた?』
ドコから戻ってきたの?
ていうか、何で俊と知り合いなのかなぁ?
『ドイツから。明日からは、2人と同じ学校にも行くつもり・・・』
『ドイツ?』
ドイツって・・・まさか!
『俊の両親は医者なんだよ~だから、留学しなきゃなんだ。』
『えっ?』
俊のご両親がお医者さん?
ちょっと待って。
これじゃあまるで・・・
誠人の時と同じじゃん。
ていうことは、俊も私を置いてドイツに行っちゃうの?
『ね、ねぇ俊。留学って嘘だよね?』
嘘だって言ってよ!
『ゴメン・・・』
えっ?
ゴメンってなに?
どぉゆうことなのか、頭がついていかない・・・

