過去より、もっと良い恋をあなたと・・・

『愛菜が気にしてなくても、オレが気にするんだ!』

俺は言葉を失った。

『どうしても、愛菜と居るとオレの中には償いの言葉が浮かんできてしまう・・・』

『償い?』

『今を昔以上に楽しく付き合うことが償いだと・・・』

俺は思わず殴ってしまった。

『君が殴ったのはあっている。だから、別れてドイツに留学することを決めた。』

『別れたのも、留学するのも全ては愛菜のためだと?』

先輩は頷いた。

『オレの頼みを聞いてくれるか?』

『俺がアイツを先輩の分まで幸せにします!』

スゴク嬉しそうに笑った谷地先輩。

『ありがとうな!』

『勘違いしないで下さい。俺は先輩に頼まれたから幸せにするんじゃない!』

『じゃあ、どうして?』

『俺自身で、俺しか愛菜を幸せに出来ないと思ったからです!!』

『そうか。愛菜が君に思いを寄せる意味が分かった気がするよ(笑)』

俺もですよ!

愛菜が、先輩に惚れる理由が・・・

『愛菜のところに行ってやって?』

『その前に作条に確認してからです!』

『そうか。じゃあ、宜しく頼むな!』

俺は屋上から校舎に入る前に先輩にお辞儀をした。

〝任せて下さい〟の意味を込めて・・・

谷地先輩にはきっとこの思いが届いただろう。

先輩、ドイツに行っても俺たちのことを気にかけていて下さい!

そして、愛菜が愛した先輩のままで居て下さい!!

あっ!

いつ、日本を発つのか聞くの忘れた!

まぁいっか!

今日でお別れな訳じゃないし。

俺は全力で教室に向かって走った。

作条、お前は何を俺に隠しているんだ?

バンッ

俺は教室のドアを思いっきり開けた。

休み時間で人が少ないが、皆ビックリしているようだ。

作条もその中の1人だった・・・

『俊!どうしたの?そんなに急いで・・・』

『お前に聞きたいことがある!』