ハァハァハァ・・・
どぉして泣いちゃったんだろ?
真海が五十嵐と付き合えたのが、友達としてとても嬉しいはずなのに。
ドンッ
私は誰かにぶつかって尻もちをついてしまった。
『イッタァ~。ごめんなさい・・・』
ぶつかった相手の顔を見ると、谷地先輩だった。
『愛菜!?大丈夫?』
先輩は私に手を差し伸べてくれた。
私はソレに捕まり立ち上がった。
『ありがとうございます!』
谷地先輩は、セーターの裾で私の涙を拭いてくれた。
『泣くほど辛いことが合ったの?』
先輩にはあの頃からずっと、私のこと見破られっぱなしですね。
私は先輩の腕の中に飛び込んでいた。
『愛菜?』
初めは先輩も戸惑っていたけど、スグに私を包み込んでくれた。
そして、あの頃より少し大きくなった手で頭を撫でてくれた・・・
周りに居た先輩方の視線がコッチに集まってるのが分かる。
先輩、カッコイイから目立つんだよな~
『先輩・・・』
ううん、違う。
私が呼びたいのは・・・
『愛菜、どうしたの?』
『・・・と。』
『えっ?』
小さくて聞こえなかったみたい。
もう1度。
『誠人・・・』
〝誠人〟は驚いているようだ。
『愛菜。オレの名前、呼んでくれたね!』
なんか誠人、顔が嬉しそう(笑)
『スゴク嬉しいよ!』
と言うと私を強く抱きしめた。
少し距離を取り、誠人は私の顎へと手をそえて少し角度を上げた。
『愛菜。良いよね?』
きっと、キスのことだよね?
『良いですよ!』
私の返事の3秒後位に唇を重ねた。
誠人のキスは、約1年半ぶり。
久しぶりのキスは大勢の前での公開キス。
あの人にも当然見られた・・・

