そして3人で屋上へと上がった。
さっき、五十嵐は私のこと〈清野〉って呼んだ。
アレは真海の前だから気遣ったのかな?
そぉであって欲しいという自分がいた。
『着いた。なんか重そうな扉・・・』
私がドアノブに手をかけようとしたら、
『俺が開けるよ。』
代わりに五十嵐が開けてくれた。
『ありがと!』
相変わらず私は空元気。
『初めて上がったけど、こんな感じなんだね!』
真海が目を輝かせながら言う。
『そぉだね♬1ヶ月通ってるのに1回も来たこと無かったもんね!』
『俺は入学してからずっとココに居た。』
私は驚いた。
横目で真海の顔を見ると、真海も驚いているようだ。
『えっ?ずっと学校、来てたの??』
『面倒くせーじゃん、学校とか。楽しみにしてるもんがなきゃ・・・』
じゃあ、今日は楽しみにしてるものがあったから来たの?
真海は私が思ったことと同じことを五十嵐に聞いた。
五十嵐は、横目でチラッと一瞬だけ私の方を見てから言った。
『もう、ねぇーよ。俺のことより清野のことだろ?』
あっ、私も忘れてた。
五十嵐が言ってた楽しみって私だったのかな?
・・・そんな訳無いよね!
私の自意識過剰!!!
『そーだったね!愛菜、話って何?』
『えーっと、途中で止まっちゃうかも知れないけど最後まで聞いてね?』
私、何言ってんだろ。
『うん!愛菜の話、ちゃんと最後まで聞くよ♬』
ありがと、真海・・・
ちょっとだけ楽になったよ!
『あ、あのね・・・』
私は案の定、途中で言葉を詰まらせてしまった。
心配そうな顔をして私の顔を覗く真海。
『ココからは俺が話す。良いだろ?』
五十嵐。
ゴメンネ?
宜しくお願いします。
私は小さく頷いた・・・

