「ヤダ・・・大樹でてよ」



 お互いが譲り合う。



 「僕、有名人だから、外に出たら危ない・・・」



 「言い訳だろ!」



 ピンポーン!ピンポーン!!



 『大樹!いるんだろ!?』


 ドでかい声。



 この声・・・。



 「葵ちゃん!?」



 なんで葵ちゃんが・・・?



 「はい!」



 そこにはやっぱり、葵ちゃんが。



 「葵ちゃん!?」



 「まったく、早く出なさいよ、大樹」



 「近所迷惑だったか?大樹」



 「星!」



 どうしてこの二人が?



 よくわからない。



 「ドラマの練習しようと思って。大樹がいると、役がやりやすい」



 どういう意味ですか?



 「大樹、失礼するわよ」



 僕をひょいと持ち上げて上がる葵ちゃん。



 「ほら星!早くきな!!」



 「はい、はいっ!!」



 天下無敵の葵ちゃん。



 この人に、敵はいない。