失敗した時から、何回も聞いたよ、そのセリフ。



 「僕は君とは違うんだ」



 「おい、大樹、やめろ」


 星の声も、僕には届かない。



 「僕は君とは違うんだ」



 「大樹、やめなさい」



 お父さんの声も、僕には届かない。



 「君のように、芸能人ぶっているわけじゃないんだよ。僕はこれを職業としている。君みたいなお遊びと一緒にしないでくれ」



 さっさと直ちゃんと、学校で遊びたいのに。



 「ごめんなさい・・・」



 必死に謝る、サラとそのマネージャー。



 「大樹、許してやれよ。言ったろ?素人だって。覚悟しとけよ、こうなることの」



 ・・・確かに、言われたけどさ。



 この子のせいで、みんなが苛立っているんだよ。



 ここの空気も凍ってきた。



 「ん・・・大樹は完璧なんだよな・・・。サラちゃん、ちょっと休憩しようか」



 「監督、僕もう時間がない!!」



 「大樹、そう言うなよ、ちょっとだけだ、お前は完璧だから、いつも通りの演技を見せてくれ。彼女もやればできる子なんだ」



 どこを見れば、できる子なのか?



 いつも僕の真似してる、蓮と同レベだと思うけど。