『・・・真綾。色々辛い思いをさせたね。ゴメンね、愛すことができなくて。でも、一人のファンとして大好きだよ。いつか君がこっちに来たときは・・・歌ってあげるね。でも、当分来ちゃダメだよ』




 真綾。大樹の元カノは、ファンということだが、特別な許可をもらって病室にいる。




 その場に泣き崩れ、床を涙でぬらしていく。





 『蓮。・・・君をどれほど傷つけたのか。謝っても謝りきれないよ。でも、これだけは言わせてほしい。僕は君が好きだよ。これからも、今までも。君がこの先どんな恋愛をしようと構わないけど、直ちゃんのこと、よろしくね。直ちゃん、頑張りすぎちゃうから』




 最低だって言った。




 蓮を振ったお前が憎かったんだ。




 でも、一番悩み、辛かったのは大樹。





 お前だったんだな。




 『直ちゃん』





 笑顔の大樹、でももう・・・涙があふれている。





 最後まで笑顔でいなくていいんだよ・・・。