僕の名前は、芦沢大樹。



 小学1年生。



 今日は、入学式。



 双子の兄、直哉と一緒に、学校に行くの。



 「大樹、行くよ」



 お母さんはすごくきれいで、お父さんはすごくかっこいいの。



 僕の、僕らの自慢の両親。



 「大樹、早く行こう!蓮が待ってるよ!」



 直はね、すごく優しいの。



 僕、直が大好き!



 「大樹君と、直哉君だよね、お姉ちゃんと一緒に行こう」



 六年生のお姉さんが僕らを連れて行ってくれるんだって。



 僕は、お母さんたちと離れたくない。



 「うそ・・・大樹じゃん!」



 「ヤバ、写メとろー」



 僕に降りかかる、フラッシュの雨。



 「おい、やめろよ、大樹怖がってるだろ!」



 直がかばってくれた。



 「すみません」



 お父さん、ごめん・・・。僕が、しっかりしてれば・・・。



 「うそ、芦沢有希じゃん・・・、大樹の親なの!?」



 「大樹の父親の、芦沢有希です。皆さんもご存じのように、大樹は俳優・・・、子役として、マスコミなどに顔を出したり、ドラマなどに出演させてもらっている、まあ、立派な芸能人です。しかし、今は大樹の入学式、写真撮影などは、ご遠慮願います」


 お父さん・・・。



 マスコミとかには、お父さんが両親ということは黙っていてくれって言っていたのに。



 僕のために・・・。



 「僕を応援してくださって、ありがとうございます。またドラマなどにも出演するので、これからもお願いします」



 僕のファンはこんなに居るんだ。



 幸せなことだ・・・。



 僕の波乱万丈な人生が、今日、この場所で始まる。