通り道

婆ちゃんは慌てて言った様だった。
俺は何だか婆ちゃんの様子が、おかしいのに気付いた。

話は終わりよ。

婆ちゃんは台所に向かった。

俺は婆ちゃんが嘘を付いた様に見えた。

が、どの部分が嘘か気付かない。

チリリリリッ!

電話が鳴った。

はい。もしもし。

おう!ひで!
今、学校から、電話掛かって来た?

うん。今怒られた所。
ハハハッ!俺も。
で、ひで今から遊べる?

今日は止めとく。

そぅ、じゃあ、明日ね。

うん。

ガチャ。

俺は、はっ!とした。
母は、もしかして俺が先生を殴って先生が連絡が付かないって言った頃から入院してるんじゃないのか。

最近じゃない!
もぅ一月以上も前だ!俺は婆ちゃんに聞いた。
婆ちゃん母さんが入院したの最近って言ったけど本当?

う、うん。つい最近よ。
俺は信じられなかった。
婆ちゃんが言ったのが本当か確かめたかった。
が、家に帰るのも車で10分、歩いたら30分以上もかかる。
俺は仕方なく部屋にじっとしていた。

あっ!この前乗った車が学校の近くの広場にあるんだ!

これで確かめに行ける。
母さんが入院している病院は、わからないけど、家に行けば何かわかるかもしれない。

広場に行くと車があった。
エンジンが掛かるか心配だ。

ブォン!

一発で掛かった。

よし!

家に向かった。
順調に家に着いた。
久し振りの我が家だ。
ガチャ。

おい!誰かおる?

物音一つしない。
家に上がると、しばらく誰も家に帰って無い様子だった。
米を炊いた形跡も無いし、風呂も水が入って無い。
洗濯物も何も無い。

俺はタンスも見た。
母さんの服と兄の服も無い。

絶対最近じゃない!婆ちゃん嘘付いたな。