ヒサからの甘い言葉を聞き、一筋の涙が頬を伝う。


けど、その余韻に浸っていられるのもつかの間。


あたしは、当初の目的を思い出した。


ヨウだ。


そうだ。


「ひ、ヒサ・・・っ。」


きつく抱きしめられていたので、腕から顔を出すだけでも苦労する。


「ん?」


今日は、優しすぎる。


いつもだったら、あ?って言うのに。


それさえも愛しくて。


「あの、その。」


「言いにくいことか?」