掴む裾に自然と力が入る。 「意味・・分かんないよ。」 笑いも自然とこぼれる。 ヒサの香水。 桃のような甘い香りが、あたしの鼻から体全体へと染み渡る。 「マーキングなんてされやがって・・・。あの、クソギツネ」 「なにか言った?ヒサ。」 なにか聞こえたけど、よく聞き取れなかった。 ヒサの顔を見ると、少し赤くて。 「何でもねぇよ。」 右手で、無理やりあたしの顔を胸板に押し付けるヒサ。 その手は、やっぱり大きくて。 温かくて、安心できて。 この時間が、続けばいいのに・・・。