自分のことも、あなたのことも。 自分の事なのに、何もわからない。 お兄ちゃんのことも、ヨウのことだって・・・。 「・・・っ」 あたしは、ゆっくりドアノブを回した。 ―――――ガチャリ・・・ 部屋の中は薄暗く、一番奥にあるデスクの電灯だけがついている。 見渡す限り、どこにヒサがいるのかわからない。 「ひ、ヒサ・・・・?」 ―――――ゴソっ・・・ !? 今、何か動いたような・・・。 な、なに・・・?