雲一つない青空がとても不愉快だった。

足下に転がる石すら腹立たしいと思った。

何をしても何故か憂鬱だ。

俺は目の前を流れる景色に、
色を見つけられない。

いつからだろう、

まるで砂嵐の中にいるかのような錯覚。

もう慣れてしまったけど、
気持ちの良いもんじゃない。

14歳の夏は、いつになく憂鬱さをはらんだまま始まろうとしていた。