「射的…か。」

俺にとってはまだマシな方だが…。
屋台の人の良さそうなあのおっさんが可哀想な事になる可能性が…
いや、なるな。
というのも彼女が銃器類の扱いを得意とするからだ。
ロケットランチャーからハンドガン、大きかろうが小さかろうが、まるで自分の身体の一部であるかの様に扱う事が出来るのだ。

「良いよねっ?ねっ?」

おっさんすまない。
俺のために破産してくれ。

「可愛い嬢さん、こんな時間から遊ぶのかい?
お嬢さんは半額で良いぞ。
こんなお嬢さんからお金を取るのは気が引けるんでね。」

そう一気にしゃべると豪快に笑う。
良心が痛む。
いっそ財布まるごともっていってくれ。

「お嬢さん、この線から撃っていいぞ。」

そう言って比較的近い線を指差す。

「ううん、ここからで大丈夫!
こう見えても射的は得意なの。」

満面の笑顔で言う。
俺には悪魔の微笑みにしか見えないが。

「そうか、そうか!
なら代わりに20回撃っていいぞ!
大サービスだ!」

あぁ、神様。
何故こんな良い人にこんな仕打ちを?